【犬の膵炎】食事療法の全て｜獣医師に教わったフードの選び方と手作り食の注意点

「愛犬が急にご飯を食べなくなった…」
「嘔吐や下痢を繰り返していて、とても苦しそう…」

そんな辛い症状の背景に、「膵炎（すいえん）」という病気が隠れていることがあります。
膵炎は命にも関わる深刻な病気ですが、適切な治療と食事療法を続けることで、多くのワンちゃんが穏やかな日常を取り戻しています。

今、あなたはきっと、不安で胸が張り裂けそうな思いでいることでしょう。
しかし、飼い主であるあなたにできることは、たくさんあります。

この記事では、膵炎と診断された愛犬のために、治療の要となる「食事療法」について、守るべき基本から具体的なフード選びまでを詳しく解説します。

※大前提として、食事療法は必ず獣医師の診断と指導のもとで行ってください。

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まずはコレを押さえる！犬の膵炎、食事療法の“4大原則”

膵炎の食事管理の目的は、消化器官である「膵臓」を休ませ、負担をかけないことです。
そのために、以下の4つのポイントを必ず守りましょう。

膵炎の食事療法で最も重要なのが「低脂肪」です。脂肪は膵臓を刺激し、消化酵素を過剰に分泌させるため、症状を悪化させる最大の要因となります。獣医師の指導に基づき、脂肪分を厳しく制限した食事を選びましょう。

タンパク質は体を作る大切な栄養素ですが、過剰な摂取は膵臓の負担になります。鶏のささみや胸肉、白身魚、豆腐など、高タンパクかつ低脂肪で、消化しやすい良質な食材を選ぶことが重要です。

繊維質が多すぎる野菜や硬い食材は、消化の負担になります。食材は細かく刻んだり、柔らかく煮込んだりして、消化しやすい形で与える工夫が必要です。

一度にたくさんの食事を与えると、膵臓に大きな負担がかかります。一日の食事量を3〜6回程度の少量に分け、こまめに与える「少量頻回」を心がけましょう。

食事療法を進める上で、多くの飼い主さんが悩むのがこの選択です。
それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、愛犬とご自身の家庭に合った方法を選びましょう。

【手作り食が向いている人】
獣医師と密に連携し、栄養学の専門的な指導を受けられる環境にあり、調理に十分な時間をかけられる人。

【市販の療法食が向いている人】
栄養管理の難しさや手間を考え、確実で安全な食事を愛犬に与えたいと考える、ほとんどの飼い主さん。

手作り食には魅力もありますが、栄養バランスを完璧に管理するのは獣医栄養学の専門家でも非常に難しい作業です。知識がないまま行うと、かえって愛犬の健康を損なうリスクがあります。

そのため、特に膵炎と診断された直後や症状が安定しない時期は、獣医師が推奨する市販の「療法食」を選ぶのが最も安全で確実な選択と言えるでしょう。
「膵臓ケア用」や「消化器サポート（低脂肪）」といった、膵炎に配慮して作られたフードを選んでください。

膵炎は、一度発症すると再発しやすく、生涯にわたる付き合いになることも多い病気です。
しかし、正しい食事療法を根気よく続けることで、多くのワンちゃんが穏やかな生活を送っています。

大切なのは、飼い主さん一人で抱え込まないこと。
必ず専門家である獣医師と二人三脚で、愛犬にとって最善の道を探していきましょう。

あなたの深い愛情と適切なケアが、愛犬の苦しみを和らげ、元気な笑顔を取り戻す一番の力になるはずです。
愛犬との暮らしが、少しでも長く、笑顔あふれるものになりますよう、心から願っています。

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