その咳、その食欲不振、ただの不調だと思っていませんか？
「うちの子に限って」…私も、そう思っていました。
この記事は、数年前に愛犬チワワちゃんをガンで亡くした私が、同じように心を痛めているあなたへ送る手紙です。
あの日、頭が真っ白になった衝撃。泣いて、悩んで、揺れ動いた日々。
そして、今だからこそ伝えられる、後悔と、確かな愛情の記憶。
医学的な情報と共に、一個人の飼い主として経験したリアルな葛藤を、包み隠さずお話しします。
あなたの心の荷が、少しでも軽くなることを願って。
犬が癌になった時の症状｜見逃さないでほしいサイン
【私のエピソード】
今思い返すと、うちの子の最初のサインは「食欲不振」だけでした。普段は食いしん坊な子が、急にごはんを残すようになった。病院では当初「胆泥症か膵炎」と言われましたが、その後のエコー検査で、お腹に大きな腫瘍が見つかったのです。
愛犬は、言葉で不調を訴えることができません。だからこそ、私たちが日々の小さな変化に気づいてあげることが、何よりも大切になります。
《見逃さないで！愛犬のSOSチェックリスト》
□ 体のどこかに、しこりや腫れがある（特に急に大きくなった）
□ いつもは食欲旺盛なのに、急にごはんを食べなくなった
□ 食事量は変わらないのに、痩せてきた
□ 散歩に行きたがらない、すぐに疲れてしまう
□ 特定の場所を触ると嫌がる、痛がるそぶりを見せる
□ 鼻血や血尿、原因不明の出血や分泌物がある
これらのサインが一つでも見られたら、どうか「歳のせいかな」で済ませず、一度獣医師に相談してください。それが、早期発見への第一歩になります。
犬の癌について｜知っておいてほしいこと
【私のエピソード】
うちの子のガンは、どこの臓器にもくっついていない「単独の腫瘍」という、珍しいものでした。2.3kgの小さな体に5cmを超える腫瘍。獣医師から「ガンで間違いないでしょう」と告げられた時、「なぜうちの子が？」という思いでいっぱいになりました。
犬の死因の第1位は、ガンです。特に8歳以上のシニア犬では、10頭に1頭がガンにかかると言われています。決して、他人事ではないのです。
- 原因： 遺伝、環境、食事、加齢による免疫力の低下など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
- 多いガンの種類： 皮膚にできる「肥満細胞腫」、避妊していないメスに多い「乳腺腫瘍」、血液のガンである「リンパ腫」、大型犬に多い「骨肉腫」などが挙げられます。
【治療の選択】私が手術をしなかった理由
【私のエピソード】
治療方針を決める時、私は一番悩みました。獣医師からは外科手術と抗がん剤治療を提案されました。しかし、腫瘍が大きすぎて、手術中に亡くなってしまう可能性が高い、と。
手術をして、もし助かったとしても、その後の抗がん剤治療で苦しむ姿を見ることになるかもしれない。それよりも、残された時間を、大好きなお家で、家族と穏やかに過ごさせてあげる方が、この子にとっては幸せなのではないか？
泣いて、悩んで、1秒ごとに考えが変わるほど揺れました。
最終的に、私は手術をしない、という選択をしました。
これは、あくまで私と愛犬の場合です。外科手術、化学療法（抗がん剤）、放射線療法、免疫療法など、治療法は様々です。どれが最善かは、ガンの種類、進行度、そして愛犬の体力や年齢によって異なります。
大切なのは、獣医師としっかり話し合い、飼い主であるあなたが「この子のために」と納得できる道を選ぶことです。
もう後悔しないために｜私が今、思うこと
【私のエピソード】
「あの時、手術をしていたら…」
今でも、ふとそう思うことがあります。私の選択は、本当に正しかったのか。その答えは、永遠に出ません。
でも、一つだけ確信していることがあります。それは、最後まで家族みんなで、たくさんの愛情を注げたこと。あの子は、最期の瞬間まで、世界で一番愛されている子でした。
この経験を通して、私は「食」がいかに大切かを痛感しました。もし次に犬と暮らす機会があれば、フードの品質には徹底的にこだわりたいと思っています。
そして、定期的な健康診断も欠かせません。もちろん、病院がストレスになる子の気持ちも考えなければいけませんが、エコー検査などで体の中の異変を早期に発見できる可能性は高まります。
私が今、注目している3つのケア
この経験から、私がもし今、愛犬のケアをするなら…と考えるアイテムがあります。
これらがガンを治すわけではありません。ですが、QOL（生活の質）を支える選択肢として、知っておくだけでも違うと思います。
- 食事療法： 免疫力維持をサポートする和漢食材などを使った療法食。
- 早期発見の試み： 自宅で尿を送るだけで、ガンのリスクを調べられる検査キット。
- 参考：犬のがん検査が尿でできるピーチェック
- 遺伝子リスクの把握： かかりやすい遺伝性疾患を事前に知ることができる検査。
最後に、今まさに心を痛めているあなたへ
愛犬のガン告知は、本当に辛いものです。その悲しみ、無力感、痛いほどわかります。
治療法の選択に、絶対的な正解はありません。どんな道を選んでも、きっと後悔は残るでしょう。
でも、忘れないでください。
あなたが愛犬を想い、悩み、決断したその全てが、愛犬にとっての「正解」なのです。
この記事が、あなたの暗闇を照らす、小さな光となることを心から願っています。
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